思えば、孤独は美しい (糸井重里:2017年12月)
株式会社ほぼ日の代表取締役社長、糸井重里さんの本(マザー2の生みの親!)。一年間で呟いたり書き留めた文章から、これはというものを選んで一冊にまとめられている。『小さなことばシリーズ』として毎年発刊されているようだ。
初めにまとめ
・優しい言葉の数々による癒し&内省。
・どこから読んでもOK。
・こだわりのある装丁、糸井重里さんのメッセージカード1枚付き。
・ヒグチユウコさんの表紙絵がふつくしい。
癒し&内省:
例えばこんなふう。
『悪口を言わないでいるうちに、悪口を思いつきにくくなるんだ。』
『とにかく、骨惜しみしないものがうまくいく。骨惜しみしないとは、すなおに、すぐに、すっとやる。』
『多忙は怠惰の隠れ蓑である。次から次にやらねばならないことがあるときは、立ち止まって疑いを持つということができない。まったく別の視点から見直す、いったん止めて熟成を待つ、原点から考えてみるということができない。多忙は本質を見えにくくしてしまう。』
どこから読んでもOK:
気負わず、腰を据える必要もなく。読もうかなーと思った時にすっと読めて、すっとやめられる。パラパラっと捲ってみて、目に止まったところを読むのが良さそう。
装丁:
少しざらついて触感が良い『タントセレクト』という紙を使用している。ページのカドは面取り加工が施されており、すべて職人さんの手加工だとか。また、一冊一冊に糸井重里さんのメッセージカードが付録されているなど随所にこだわりが感じられる。
何種類あるか不明です。他に『不自由との出合い、不自然の発見、そこから疑問とクリエイティブを生ま』『いざとなったら、紙芝居屋をやろうと思う』『コツコツとずっと地道にやってて、運がくるのを、ちょっと期待する』などなど。
ヒグチユウコさん:
繊細な絵で人気の画家さん。動植物や少女を描かれることが多く、絵本も手掛けられている(この本も傍目には絵本に見えそう)。しかしこれは部屋に飾っておくだけでもインテリアとして機能しますね。お客さんが遊びにきたら『おっ』と手に取ること間違いなし。
電子書籍が隆盛を極める昨今で、”あえて”装丁にこだわりを見せる。それは、柔らかな言葉の数々もさることながら、”手に取る楽しみ・ページを捲る楽しみ”を提供してくれているといっていいかもしれない。先日読んだ『エモーショナルデザイン』でも、”優れたデザイナーは五感にもこだわる”と書かれていました。電子化時代へのひとつの個性の出し方だと思います。この領域、ブルーオーシャンじゃないでしょうか?
おわり